大気汚染が自閉症を引き起こす

<大気汚染が自閉症を引き起こす>


大気汚染に長期間さらされていると、自閉症精神分裂病にかかりやすくなる事がわかりました。
またその傾向は、男性に強く表れる可能性があるとの事です。

これは米国ロチェスター大学の研究者らが、環境と健康に関する専門誌Environ Health Perspect;に報告したものです。


論文タイトル: Early Postnatal Exposure to Ultrafine Particulate Matter Air Pollution: Persistent Ventriculomegaly, Neurochemical Disruption, and Glial Activation Preferentially in Male Mice
科学誌名: Environ Health Perspect; DOI:10.1289/ehp.1307984 (2014)
著者: J L. Allen, X Liu, S Pelkowski, B Palmer, K Conrad, G Oberdörster, D Weston, M Mayer-Pröschel, and D A. Cory-Slechta


研究では、マウスを超微粒子を含む大気汚染物質に晒し、その影響を調べました。
その結果、大気汚染にさらされたマウスでは、清浄な空気を吸っているマウスに比べ活動的でなくなり、記憶力も低下することが明らかになりました。
更に、この汚染された空気を吸ったマウスの脳を調べたところ、激しい炎症が起こっており、髄液を含む脳室が肥大していることがわかりました。

研究者によると、この影響は、人間では脳室肥大は神経発生を阻害して脳梁へのダメージを意味するのだそうです。
ちなみに、脳梁は認知したり社会的行動、情動行動を処理したりする上で非常に重要な役割を果たすところで、脳梁がダメージを受けることで自閉症症状につながると推測されるという事です。

また、大気汚染によるこうした脳への影響は、オスのマウスで圧倒的に多く見られました。
これは、男性の方に自閉症を患う人が多いことと何か関係がありそうとの事です。

研究者らは、今後大気汚染と脳のダメージの関連をさらに調べ、性別に加え、なぜ自閉症を発症しやすい人とそうでない人がいるのかも明らかにしたいとしています。