緑茶が白血病に有効

<緑茶が白血病に有効>


 最近、嬉しい事に、緑茶が健康によいと、様々な雑誌などに書かれています。

 しかし、その中身を見ると、「ほんまかいな?」と疑問に思わざるを得ないものも多く見受けられます。
 緑茶の効果を確信しているのですが、そのようないいかげんな噂が広まると、かえって緑茶に対する信頼性が失われるのではないか、と危惧しているところです。
 そしてそれには、キチンとした論文で、科学的な論拠に基づいた評価(EBM、Evidence Based Medicine)が必要と考えています。

 さて、話を戻して、緑茶成分の有効性に関する論文です。

 お茶に含まれる、エピガロカテキン・ガレート(EGCG)が、慢性リンパ性白血病(CLL)の抑制に効果があることが、医学研究では定評のあるメイヨークリニックの研究で明らかになりました。

 この研究結果は、メイョークリニックのTait Shanafelt博士らが、医学雑誌白血病研究誌Leukemia Researchに報告したものです。

 研究では、メイヨークリニックで治療を受けている4名のCLL患者さんを対象にし、薬局で購入できるEGCG製品を摂取してもらいました。

 ちなみに、緑茶成分には様々な抗酸化物質が含まれていますが、その中でもEGCGには強い抗酸化作用がある事がよく知られています。

 その結果、この患者さんたちはいずれもEGCGを摂取始めてから病状が回復し、また4名中3名は検査値の結果が改善しつつあるということです。

 この研究グループは、以前医学誌のBloodという専門誌に、EGCGがCLL患者さんの白血病細胞のシグナル伝達系を破壊し、その結果として癌細胞が消滅する事を報告していました。

 今回はその続編にあたる研究結果で、単に試験管内の実験でだけなく、実際に患者さんの病状改善に役立つとしています

 今のところ、研究対象になった患者さん数が少ないので、本当に有効である事を実証するには、今後更に詳細に調べる必要があります。

 しかし、現在のところ、有効なCLL治療法やよく効く薬がないだけに、その結果が期待されます。