川崎病の原因は中国からの汚染物質か

川崎病の原因は中国からの汚染物質か!>


川崎病は、全身の血管に炎症が起こる子供の病気で、高熱や発疹を引き起こし、心臓に障害が残ることもあるとされています。
1967年に川崎富作博士が最初に報告した疾病で、日本では現在、年間約1万4000人が発症し、季節により患者数が変動することが分かっています。

この川崎病の原因は長年の研究でもよくわかっていなかったのですが、今回、「中国北東部から日本へ吹き込んだ風が運ぶ物質が関与している可能性がある」、との報告を、日米欧の研究チームが発表しています。
原因究明の手がかりとなる重大な成果で、米国科学アカデミー紀要電子版に報告されています。


論文タイトル: Tropospheric winds from northeastern China carry the etiologic agent of Kawasaki disease from its source to Japan
医学誌名: PNAS 2014 ; May 19, 2014, doi:10.1073/pnas.1400380111
著者: Xavier Rodó, Josep-Anton Morguí 他


研究では、70〜2010年の日本の川崎病調査のデータを活用、発症日と気流との関係を調べました。
その結果、過去3回の流行期では、中国北東部からの風が強く吹き込んでいたことがわかりました。
更に、この風が運んできた微粒子を分析したところ、マウスの実験で川崎病との関連が指摘されているカビのカンジダ菌などが含まれていることが明らかになりました。

なお、研究チームの一員である中村好一・自治医大教授は「この風が通過する韓国では同時期の流行はない。川崎病には複数の原因物質があり、人種によって反応のしやすさが違うのかもしれない」と話しています。