胃の中で出来たアルコールで泥酔

<胃の中で出来たアルコールで泥酔!>


胃の中で食品を発酵させてアルコールを醸造してしまう病気と診断された米国の男性の症例について、国際臨床学会誌が紹介しています(CNNニュース)。


研究を行ったテキサス州のパノラ大学などの研究チームによると、この病気と診断されたのはテキサス州に住む61歳の男性で、男性はまったく飲酒していなくても、呼気から異常に高い濃度のアルコールが検出されていたということです。

過去5年の間、いつも酔ったような症状があり、看護師の妻が呼気検査をしたところ、アルコールを一切摂取していなくても、血中アルコール濃度が最も高い時で0.4%に達していたそうです。
ちなみにこれは、運転が認められる限界濃度の5倍の数値です。

2009年には1滴のアルコールも飲んでいないのに血中濃度が0.37%に達したため、病院の救急処置室に運ばれました。
しかし当時の医師たちは、男性が隠れて飲酒しているに違いないと判断したそうです。

そして、翌年になってようやく、胃腸の専門医で24時間の経過観察や各種の検査を行った結果、男性の胃の中で食品が発酵していると診断されました。

研究チームによると、「胃の中で酵母が増殖し、糖をエタノールに変える発酵作用が起きていたと考えられる」との事です

実際、抗菌剤を投与して酵母の活動を抑えたところ、呼気からアルコールは検出されなくなったそうです。

この病気による患者さんは過去30年で数えるほどしかいないということですが、「失業や対人関係の悪化、さらには逮捕といった社会的問題にもつながりかねない」と研究チームが注意しています。