緑茶成分とバイアグラの併用で、がんを抑制

<緑茶成分とバイアグラの併用で、がんを抑制>


緑茶の成分のカテキンと、バイアグラなどの男性のED(勃起不全)治療薬を併用することで、がん細胞を駆逐できる可能性があることが明らかになり、大変な話題となっています。


これは九州大大学院・農学研究院の立花宏文教授らが、マウスを使った実験で確かめたもので、つい先日の米国医学誌に掲載されているものです。

論文タイトル: 67-kDa laminin receptor increases cGMP to induce cancer-selective apoptosis
著者: M Kumazoe, H Tachibana他
医学誌名: J Clin Invest. 2013 Jan 25. pii: 64768. doi: 10.1172/JCI64768.


緑茶に含まれているカテキンは抗がん作用があることが知られており、緑茶を良く飲む人に胃癌が少ないことが明らかにされています。
しかし、実際にがんになった人が、緑茶をたくさん飲んでもガンが消失するというような目立った効果は認められていませんでした。

ところで、立花教授らは以前に、緑茶カテキンの一種EGCG(活性ポリフェノールのエピガロカテキンガレート)が、がん細胞の増殖を抑えることを明らかにしていました。

そこで今回、バイアグラなどの勃起不全の治療薬(ED治療薬)を、EGCGと同時に血液がんのマウスに注射したところ、がん細胞の増殖を抑えることを発見しました。

また、胆管癌、大腸直腸がん、子宮頸部がん、乳癌などの様々ながんに対しても、抗がん作用があることが示されました。
更に、ラットの実験ですが、癌組織も消失することも明らかにされました。


緑茶成分やED治療薬は、既に我々が容易に入手できるものです。
しかも、どちらも安全性には定評がありますので、大きな副作用なしに、進行した癌や転移したがんや悪性度の高いがんの治療を行うことができるとすれば、非常に有益な発見です。

また生存期間も延長する効果が認められていることから、非常に期待が持てますので、一刻も早い、人への応用可能であるかの研究が待たれます。