サプリメントで自閉症が改善！！

自閉症患者さんの症状の一つであるアミノ酸不足が関係した神経症状が、アミノ酸サプリメントを服用することにより改善する可能性があるそうです。

これは先日、米国有名科学誌であるサイエンス（Science）誌に、米カリフォルニア大学サンディエゴ校のジョセフ・グリーソン氏らのチームが報告したもので、国内外で強い反響を呼んでいます。

（論文タイトル：Mutations in BCKD-kinase Lead to a Potentially Treatable Form of Autism with Epilepsy 著者：Gaia Novarino他　医学誌名：Science 1224631 Published online 6 September 2012 [DOI:10.1126/science.1224631]）

この研究者らは、一部の自閉症患者さんには、アミノ酸の代謝に関する遺伝子変異があることを見つけました。

必須アミノ酸（分岐鎖アミノ酸、BCAA）は体内で作り出すことができないため、食品から摂取する必要がありますが、このような遺伝子変異のある患者さんでは、代謝が促進されるために通常よりも早くアミノ酸が消費されてしまいます。

そのため、自閉症の神経行動学的症状と関係した、アミノ酸の不均衡を生んでいると考えられました。

そこで研究では、先ずてんかん性発作がみられる自閉症の小児患者数人の遺伝子情報を調べ、遺伝子変異を特定しました。

次に、てんかん性発作など自閉症的な症状を示すように遺伝子を操作したマウスを作り出し、このマウスにアミノ酸サプリメントを与えたところ、マウスの症状に改善がみられることが分かりました。
　

今後は実際の患者さんを対象に、実際に治療効果があるかどうかを調べる予定だそうです。

ちなみに、自閉症でてんかん性発作がみられる患者さんは全体の約4分の1だそうですが、今回の発見が自閉症やてんかんの検査や治療に役立つと期待され、話題となっています。