緑茶は、白血病の治療に有効

<緑茶は、白血病の治療に有効>


慢性リンパ性白血病 (chronic lymphocytic leukemia; CLL) は一般的に「血液のがん」といわれる、白血病の一種です。
中年以降に発症する例が多く、頻度は年間10万人に1〜3人の発症率とされています。
ありがたい事に、外国等に比べて日本では発症例は少ないのですが、これといった治療法がなく、難病の一つです。

さて、今回、緑茶に含まれるエピガロカテキン・ガレート(epigallocatechin
gallate; EGCG)と呼ばれる成分が、白血病の早期治療に有効であることが分かりました。
これは、メイヨークリニックの血液病学のTait Shanafelt博士が、がん関連誌Journal of Clinical Oncology(2009, May issue)に報告に報告したものです。

研究では、慢性リンパ球性白血病が発症後初期の患者さんに、高用量(1日2回400 mg〜2,000 mgのEGCG)のEGCGカプセル剤を投与しました。
すると、患者さんの肥大したリンパ節のサイズが50%以下に低下し、リンパ球の細胞数も1/3に低下したということです。
そして、この緑茶カプセルを服用中、患者さんには特に副作用が見られなかった事から、その有用性が高く評価されています。

初期CLL患者の半数が悪性化して死亡に至る例が多いそうですが、この研究者らは、EGCGが初期CLL患者の症状を沈静化するのに有効で、また他の療法を組み合わせることにより治療効果が高まると結論しています。

今までも、緑茶成分の抗がん活性は動物実験等で分かっていましたが、今回のようにCLL患者さんを対象にした研究はほとんど知られていませんでした。
今後、臨床試験第二層に入るとの事で、今後の成果が期待されます。


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