勃起障害の男性は、心臓病のリスクが2倍。

<勃起障害の男性は、心臓病のリスクが2倍。>


勃起障害(ED)は全男性の共通した悩みで、年齢が高くなるにつれてその割合が高くなります。
実際、40歳台では5-10%、70歳台では40-60%の男性がED症状を有するといわれています。

さて今回、メイヨー・クリニクの研究により、40歳から49歳のEDの症状を持つ男性は、心臓疾患のリスクが2倍に高まっていることが分かりました。

この報告は、メイヨー・クリニック紀要誌(Mayo Clinic Proceedings, 2009年 2月号)に、Jennifer St. Sauver博士が報告したものです。

研究では、米国ミネソタ州在住の1,402名の、研究開始時の1996年の時点ではなんら心臓疾患がない男性を対象としました。

この最初の時点では、EDの発生率は、40-49歳では2.4%、50-59歳では5.6%、60-69歳では17%、70歳以上では38.8%だったそうです。

次いで2年ごとに10年間にわたって、これらの人の泌尿器系疾患や性生活及び心臓病について調べました。

その結果、10年間のフォローアップ中には、EDを持つ男性では、ED症状のない人に比べて冠状動脈性心臓病になる頻度が80%も高いことが明らかになりました。


その詳細を見ると、研究開始時に40-49歳のEDの人が心臓疾患にかかる頻度は、EDの症状のない男性に比べて50倍もそのリスクが高かったそうです。
統計的には、EDではない人では1,000人中1年間に心臓疾患が発生する確率は0.94であったのに対し、EDの人では48.52であったとされています。

一方、50歳台、60歳台、及び70歳台では、40歳代の人に比べると、心臓疾患の割合はEDの人でもそれほどの開きは見られなかったようです。

従って、年齢の若いEDの人では、将来心臓疾患になりやすいと結論されています。

今回の研究では、何故EDだと心臓疾患になりやすくなるかは述べられていないのですが、EDと冠動脈疾患は元々は同じ疾病で、症状が異なるに過ぎないのでは、とされています。
そして、心臓周辺の動脈を閉塞させるのと同じように、ペニスへの血流が阻害されてEDが発生すると考えられています。
また、動脈の弾力が失われることが心臓疾患につながりますが、このような動脈硬化がおこり始めると、最初に敏感なペニスの血管が影響される可能性もあるようです。

結論としてこの論文では、若い人にED症状がある場合には、直ぐに医師に相談して何らかの予防策をとる必要があると警告しています。


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