シワ除去フィラーは、重大なアレルギーを起こす可能性あり

<シワ除去フィラーは、重大なアレルギーを起こす可能性あり>


 貴女は、「シワ用フィラー」を使っていませんか?
 最近人気のアンチエージング化粧品の一つで、顔のシワ組織に注入し、皮膚をふっくらさせて、シワを目立たなくさせるものです。ヒアルロン酸がよく使われています。

 『気になるシワが瞬時に消える』という謳い文句で、特に米国では大人気で、塗ったその場で68%の人がシワ改善の効果を実感し、4週間後には83%もの使用者がシワの改善を実感すると云われています。

 ところが、このシワ取り用フィラーには、アレルギー反応などを起こす可能性があり、その旨をキチンと表示せよ、と米国食品医薬品局FDAが警告を出しています(Richard D'Amico, M.D., immediate past president, American Society of Plastic Surgeons; U.S. Food and Drug Administration; Nov.18, 2008, Associated Press, Bloomberg News)。

 それによりますと、このようなシワ取りフリラーを使用すると、皮膚がデコボコになったり、シミの原因になったり、或いは後々まで残る痕が発生する可能性があるためで、商品にはその旨の注意を直接記載すべきであるとしています。

 実際、FDAには、アナフラキシーショックなどの重大なアレルギー反応に関する報告もよせられているということです。

 FDAの委員であるカルフォルニア大学サンフランシスコ校のMary McGrath教授によると、昨年度米国内でシワ取りフリラーが約1,449,000回行われており、これによるアレルギー反応、腫れ、びらん、疼痛など823例が報告されているそうです。

 このうち、638名は治療が必要となったということで、19名は呼吸困難を伴う重症のアレルギー反応が発生し、緊急治療室に搬入されていました。
 また、12名には感染症で入院し、局所ステロイド剤や経口抗生物質、抗炎症剤、抗ヒスタミン薬、或いはリンパ管内ステロイド注入などの治療が行われたということです。
 更に94例では、外科的処理が必要だったとされています。

 このようにシワ取りフィラーの安全性については、注意が必要です。
 効果ばかりを追求すると、思わぬ副作用で取り返しがつかなくなる可能性もあるわけです。
 お使いの方で何か気になる方は、消費者団体か厚生労働省、或いは地域の保健所等にすぐにご連絡を。


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