乳酸菌を摂ると、アレルギー反応が抑制される。

●乳酸菌を摂ると、アレルギー反応が抑制される。


これからの花粉症シーズンに向けての朗報がありましたので、お知らせします。
腸内細菌を整える乳酸菌が、花粉症などのアレルギー症状を抑えることが、東
京大学などの研究により明らかになりました。

今までも、乳酸菌がアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を抑える
ことは、知られていましたが、今回の研究で、腸内に存在する乳酸菌の一種が、
アレルギーの原因となる免疫細胞を細胞死(アポトーシス)に導くことが明ら
かになったというものです。

これは、東京大学大学院農学生命科学研究科の八村准教授らが、免疫学の専門
誌(Immunobiology, January issue, 2008)に報告したものです。

先ず最初の実験で、培養したマウスのヘルパーTh2細胞にラクバチルス菌
(乳酸菌Lactobacillus acidophilus L-92株)を加えました。
すると、何も加えない対象に比べて、Th2細胞が細胞死を起こし、細胞数が
1割程度減少することが分かりました。
また、生体を用いた実験として、マウスにこの菌を経口投与させた場合も、同
様の結果が確認できたそうです。

さて、体内では免疫細胞である「Th1」と「Th2」の均衡が保たれています。
ところがこのバランスが崩れてTh2が増えると、「IgE」と呼ばれる抗体
が過剰に作られて、アレルギー反応が起きるとされています。

実際、アレルギーの人はTh2が過剰な傾向がみられており、逆にアレルギー
症状の子どもは、乳酸菌のビフィズス菌ラクバチルス菌が腸内に少ないと
いう報告も知られています。

従って、今回の研究結果は、乳酸菌を与えるとTh2細胞の数が低下して、アレ
ルギーを起こしにくくなったと考えられるわけです。

以前からこの研究者は、カルピス健康・機能性食品開発研究所と共に、免疫系
の初期反応における樹状細胞(Dendric Cell)に対する乳酸菌の働きを調べてい
ましたが、今回の研究で、乳酸菌が過剰なTh2細胞のアポトーシスを誘導する
ことを明らかにした事になります。

また、免疫系に及ぼす腸内細菌群の重要性が確認され訳で、おなかの調子を整
えると一見関係なさそうな花粉症やアトピー性皮膚炎などを抑制することが可
能と考えられます。

という訳ですので、私はカルピスの廻し者ではありませんが、乳酸菌を多く摂
るようになさっては如何でしょうか。


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