愛情ホルモン入りスプレーで、夫婦円満。


● 愛情ホルモン入りスプレーで、夫婦円満

 オキシトシンは、脳下垂体から分泌されるホルモンのひとつで、以前このHP
でも取り上げましたが、人を信じたり、愛情を保ったりする事と関係があると
されているものです(2006年03月25日号、「人を信用させるホルモン」)。

 また、2005年秋に行われた研究によると、オキシトシンを与えずに育てた雌
マウスは子マウスの世話をしないことが報告されています。

 これらの事から、このホルモンが自閉症などの精神障害の治療にも有用であ
ると考える専門家もいるようです。

 さて今回、更にこのホルモンには、夫婦げんかを鎮める効果がある事が明ら
かになった、という話題です。

 これは、ジョージア州にあるエモリー大学精神学行動科学のBeate Ditzen氏
らが、2006年度国際神経内分泌学会で報告したものです。

 研究は50組の男女のカップルを対象にしたもので、そのうち半数にはオキシ
トシンの含まれる鼻腔スプレー薬を、残りにプラセボ(偽薬)スプレーを投与
しました。
 その後、それぞれカップルが抱える問題について、口論をさせたそうです。
 そしてその際、ストレスを感じたときに分泌される唾液中のコルチゾルの濃
度を測定し、また同時に、カップルの間でのお互いの関係を評価するアンケー
トに回答してもらいました。

 その結果、オキシトシン投与群では、プラセボ群に比べてコルチゾル濃度が
大幅に低下している事がわかりました。
 さらにオキシトシン投与群の夫婦では、パートナーに対するプラスの感情だ
けでなく、マイナスの感情をも素直に表現できていたそうです。

 この結果を心理学的に解析すると、お互いの争いを円満に解決しようとする、
愛情行動に相当するのものだそうです。

 即ち、オキシトシンは愛情のホルモン(love hormone)であり、人間関係や
他人との関係を健全に保つための重要なホルモンである事が確認されたとして
います。

 ということですので、皆様のオキシトシンが、うまく分泌されている事を心
よりお祈りいたします。


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