ビタミンB6を摂ると、大腸癌になりにくい

●ビタミンB6を摂ると、大腸癌になりにくい

 最近の食習慣の西洋化に伴って、大腸癌や結腸・直腸癌に罹る人が非常に増
えています。
 このため、厚生労働省などの政府機関も大々的な大腸癌撲滅運動を展開して
いるところです。

 さて、ハーバード大学の研究者が、このような大腸癌や結腸・直腸癌は、毎
日ビタミンB6を摂ることで、癌発生の危険率が大幅に低下する事を発表してい
ますのでお知らせします。

 これは、ハーバード大学医学部のEsther K. Wei博士が、米国癌研究会誌
(Journal of the National Cancer Institute, May 4, 2005)に報告した
ものです。

 今までも、ビタミンが癌の発生を抑制するという研究は幾つか発表されてい
たのですが、今回の報告は、血液中のビタミンB6レベルを調べた大規模な調査
結果で、その有効性が再確認されています。

 研究は、1976年にはじめられた看護師健康研究(Nurses' Health)に参加し
た、30歳〜55歳までの看護師3万3千人について調査したもので、1989年に集め
た血液サンプルについて、ビタミンB6の前駆体であるピリドキサール5燐酸
(pyridoxal 5'-phosphate, PLP)のレベルを調べました。次いで、大腸癌や
結腸直腸癌にかかった割合を分析したそうです。

 その結果、そのうちの194名が大腸癌に罹患し、410名が大腸癌になる直前の
状態であるポリポーシスになった事がわかりました。

 次に、これらの女性をPLPのレベルに従って4つのグループに分けて更に詳細
に調べたところ、血液中のPLPが最も高い群では結腸直腸癌にかかる頻度が44%
低く、また大腸癌に罹る頻度は58%低下している事が明らかになりました。

 血液中PLPは、最も高い群では低い群の6倍も多くあり、このようなPLP高値
群では実際にビタミンB6一日約8.6mg摂取しており、低い群の一日1.6mgに対し、
かなり多く摂取している事がわかったそうです。

 ちなみに、一般成人は一日1.3mg〜1.7mgビタミンB6を摂る事が推奨されてい
ますので、推奨量の5倍も多く摂っている事になるのですが、ビタミンB6は水
溶性のビタミンですので、安全量の範囲内です。なお、一日100mgが安全最大
量とされています。

 この8.6mgを摂るには、通常の食事だけでは困難で、マルチビタミンの摂取
やビタミンB6豊富な食事に心がける必要があるということですが、一日8.6mg
まで摂らなくとも、3.3mg程度を摂るだけで大腸癌の危険率が低下するという
ことですので、是非お試しください。

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 「病気は千もあるが、健康は一つしかない。」     (ベルネ)

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