ファーストフードを食べると、糖尿病になりやすい

● ファーストフードを食べると、糖尿病になりやすい

 ハンバーガーなどのファーストフードは、食事時間を取れない時には便利で、
安価な上になかなか美味しく、ついつい食べてしまいます。
 ところが今回、頻繁にファーストフードを食べる人は体重が増えやすく、15
年間に10ポンド(4.5kg)以上増加するという事です。

 これは、権威ある医学誌であるランセット誌(The Lancet, Jan. 1, 2005;
vol 365: pp 36-42)にボストン小児病院の研究者が報告したものです。

 研究者等は青年期(18歳〜30歳)にファーストフードを食べ始め、15年以上
食べている3,000人以上の米国人について、運動、喫煙及び余暇時間の過ごし
方などの生活スタイルを調べ、調査開始後、2年目、5年目、10年及び15年目に
再調査したそうです。

 その結果、毎週2回以上食べる人は、週1回以下しか食べない人に比べて10ポ
ンド(4.5kg)以上体重が増加している事がわかりました。
 また、これらの人は糖尿病の兆候である、インシュリン抵抗性になっている
頻度も2倍となっていたという事です。

 ところで現在、米国成人の2/3が体重オーバーで、糖尿病の人も多く、毎年
100万人が新たな糖尿病患者になるといわれています。
 糖尿病は、心臓疾患や脳障害、網膜炎、腎臓障害の原因となるのですが、米
国成人の6%以上、60歳以上では実に18%の人が糖尿病ということです。
 これは先進国に共通したもので、英国では男性の21%、女性の23.5%が肥満
(2001年統計)で、男性の2/3、女性の約半数が体重過多だそうです。 勿論、
我が国でもその傾向は変わらず、深刻な問題になりつつあります。

 さて、今回の報告で、ファーストフードを食べる事と肥満の間には密接な関
係があることが実証されたわけですが、ファーストフード・レストランに行く
回数は白人女性では比較的少なく平均1.3回/週で、他の人種の人は2回平均だっ
たそうです。また、ヒスパニックなどの低所得者層で多く、実際この人たちに
肥満が激しいといわれています。

 米国糖尿病協会は、ハンバーガーなどのファーストフードを食べる時の注意
として、「回数を減らす、脂肪の少ない肉やマヨネーズを使用しているものに
する、生野菜が多く入っているものにする、油分の多いフライドポテトは避け
る、砂糖入りのソフトドリンクはあまり飲まない」などの注意点を挙げていま
す。
 これを受けてファーストフード・メーカーも、より健康的な商品へと移行し
つつあり、改善が図られているようです。
 しかし、ファーストフード好きな人は、同時にお酒もよく飲み、運動嫌いと
いう傾向があるそうですので、本当にファーストフードだけが悪いのか、とい
う疑問も涌きます。
 最近はスローフードを薦める本などが出ていますが、ファーストフードの回
数を少なくしたりして、より健康的な食事が重要であることは間違いないよう
ですね。

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