飲酒は、高齢に伴う思考能力の低下や癌の予防に有効。

● 飲酒は、高齢に伴う思考能力の低下や癌の予防に有効。

 酒は百薬の長といわれており、適度に飲めばいろいろと体によい結果をもた
らします。そこで今日は、飲酒がもたらす利点に関する話題をお送りします。

(1)飲酒は高齢女性の思考能力の低下を抑える
 毎日ビールやワインを楽しんでいる高齢女性は、あまりお酒を飲まない人に
比べて、知能レベルが高く保たれている事がわかったというものです。
 これはハーバード大学医学部Francine Grodstein博士らが、英国医学誌ニュ
イングランドジャーナルオブメディシン(New England Journal of Medicine,
2005, Jan.)に報告したものです。
 研究では、1万2,500人の女性看護師を対象にし、飲酒に関する質問や思考能
力テストを行いました。
 その結果、70〜81歳で、毎日コップ一杯のビールやワインを飲む女性は、あ
まり飲酒をしない人に比べて思考能力の低下が20%も抑えられており、精神的
な活動能力が1年半も若い状態だったという事です。
 今までも、適量のアルコールは、心臓病や脳障害を減少させる事が知られて
いましたが、今回の結果も血液循環が良くなったお陰で、脳血管梗塞ができに
くくなり、結果的に知的能力が改善したものと考えられます。

(2)エタノール以外のビール成分に、癌抑制作用
 この結果はマウスを用いた実験ですが、ビールに含まれるアルコール以外の
成分が発ガン物質に拮抗して癌の発生を抑えるそうです。
 これは、岡山大学のSakae Arimoto-Kobayashi博士らの研究であきらかにな
ったものです。報告によりますと、マウスに発癌剤の複素環アミンを与えてお
き、同時にノンアルコールビールを飲ませたところ、そのマウスの肝臓、肺、
腎臓のDNAダメージの割合は、水を飲ませた場合に比べて85%低くなっていたそ
うです。
 この実験では、アルコールの入っていないノンアルコールビールを用いてい
ますので、エタノール以外のビール成分が発癌の抑制に重要な事を示していま
す。
 実は私もビールが大好きですが、残念ながらアルコールに弱いために、あま
り多く飲めません。そのためノンコールビールを愛用しているのですが、嬉し
いニュースでした。

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<心に効く、言葉のサプリメント

 「最もよく効く薬とは、あなた自身の身体の中にあります
  (The best and most efficient pharmacy is
   within your own system.)」        (ロバート・ピール)

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