蜂蜜やローヤルゼリーに癌抑制作用

●蜂蜜やローヤルゼリーに癌抑制作用


 以前、蜂毒が、関節炎に有効であることをお伝えしましたが、今回は、蜂蜜
ローヤルゼリーに癌を抑える効果があるという話題です。

 これはクロアチアのZagreb大学の研究者が、マウスを用いた実験で明らかに
したもので、「食品と農業科学誌」(Journal of the Science of Food and
Agriculture, Dec. 2004)に報告されたものです。

 この研究者等は、以前より蜂毒や蜂蜜の有用性を調べていたそうですが、今
回は働き蜂の唾液腺から分泌される、幼虫の食料であるローヤルゼリーやプロ
ポリスの有効性について調べました。
 実験では、ヒトの癌細胞を移植したマウスにこれらの蜂の成分を与え、癌の
増殖が抑制されるかどうかを調べました。

 その結果、癌を移植する前に蜂蜜を経口投与した場合には、移植した癌の増
殖が抑制されたそうです。
 一方、はじめに癌を移植していた場合には、逆に癌の増殖が促進されたとい
うことです。
 また、癌組織にこれらの成分を注射したところ、ローヤルゼリーは癌の転移
を抑え、蜂毒を注射すると癌組織自体が退縮したそうです。
 更に、プロポリスやプロポリスの成分であるカフェ酸(caffeic acid)を注
射したところ、癌の増殖が抑えられ、マウスの生存期間も延びたということで
す。
 現在のところ、何故蜂の成分が癌に有効であるかはわかっていませんが、ア
ポトーシスと呼ばれる癌細胞の自殺を促進させるか、または癌細胞を直接攻撃
したり、或いは癌に対する免疫システムを増強するためと考えられています。

 今回の報告は、蜂の成分が癌の治療に有効である可能性を示していますが、
研究者等は、現存の化学療法にとって変わるものではなく、併用する事がよい
のではないかと述べています。
 蜂蜜やロイヤルゼリーは自然食品で、口から摂取しても副作用等の害は殆ん
どありませんので、大いに期待されます。今後更に、大規模なヒトを対象とし
た研究が待たれます。

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