高収入になる遺伝子を持っていますか?

<高収入になる遺伝子を持っていますか?>

 

資産家の家庭に生まれたらそうではないかもしれませんが、“元来、収入は遺伝子とは関係なく、その人の努力によって決まる”と信じたいですね。

ところが最近の研究によると、その人の収入は努力よりも遺伝的要因が強く関係していることが分かりました。

有名な科学専門誌であるNature Communicationsに発表された研究によりますと、約29万人のゲノムを探索したところ、高収入に寄与する149個の遺伝子座が発見されたそうです。即ち、高収入を得る人は、高収入になるための遺伝子をあらかじめ持っていたというのです。

(W. David Hill et al,“Genome-wide analysis identifies molecular systems and 149 genetic loci associated with income”, Nature Communications volume 10, Article number:5741(2019))。

また、双生児などを用いたこれまでの研究でも、音楽の才能は約90%、スポーツの才能は約80%が遺伝に支配されるとする報告があります。

頭の良さについては、児童期が約40%遺伝の影響を受けるのに対し、成人期初期には約70%影響を受けるとの事で、年齢が上がるにつれ、遺伝的要因は強く現れやすくなるようです。 これは、大人になるにつれて自分自身の遺伝的な素養に適した環境を選ぶようになり、遺伝的な素質がより表に出やすい状況になるため、と解釈されています。

日本人を対象にしたものでは、日本人の双生児約1000人を対象に、20~60歳の男性について、収入に対する遺伝の影響が年齢でどう変化するかを調べた研究もあります(Yamagata S, Nakamuro M, Inui T. Inequality of opportunity in Japan:A behavioral genetic approach. RIETI Discussion Paper Series, 13-R-097, 2013)。

それによりますと、収入に対する遺伝の影響は20歳で22.7%、その後30歳で38.2%、40歳で56.5%とどんどん上がり、43歳で58.7%とピークとなり、その後50歳で52.3%と下がっていくと報告されています。

即ち、収入が最も多くなる年代においては確実に遺伝的な素因が関係していると云えるのだそうです。

 

自分には高収入になる遺伝子などあるはずがないなどと思わず、“自分の持って生まれた隠れた遺伝的素質がいづれは花が開く”という強い意志を持ちつづけ、仕事に邁進するのが良いようですよ。

 ただ私の場合は、それに気づくのが遅かった。残念!!