認知症予防が可能に!

認知症予防が可能に!>

 

令和2年、最初のおしらせです。

デンマークで10万人を対象にした認知症に関する論文が発表され、注目が集まっています。 これは、「カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル」誌にコペンハーゲン大学のルース・フリック・シュミット博士らが報告したものです。

研究では、コペンハーゲンで2003年から15年の間に、被験者のライフスタイルに関する問診、健康診断、血液検査が実施されました。

その結果、「被験者の年齢と性別」、そして「認知症と高い相関関係を持っているとみられるアポリポタンパクE遺伝子の有無」を組み合わせることで、向こう10年間の認知症の発症リスクが明らかになりました。

なお、このアポリポタンパクE遺伝子は、脳細胞にとって有害な線維状のタンパク質βアミロイドの蓄積をもたらすと考えられており、認知症の重大危険因子として知られているものです。

またこの論文には、10年以内に認知症になるリスクは60歳の女性7%、男性6%。70歳の女性16%、男性12%。さらに80歳以上になると女性24%、男性19%というデータも掲載されています。

ところで以前、医療専門誌「ランセット・パブリック・ヘルス」に認知症のリスク因子に関する研究が掲載され、高血圧症、喫煙、糖尿病、肥満症、うつ病、難聴などを早期に治療すれば、現代の認知症ケースの3分の1は予防できることが報告されています。 シュミット博士は、「この報告と共に今回の結果を考えあわせ、認知症のハイリスクに当てはまると診断された場合は、さまざまな危険因子を減らすことで、認知症の予防や早期治療、進行の抑止ができるようになる」と述べています。

ところで、この調査の対象が特定の地域のヨーロッパ系白人のみだったのですが、我々日本人を含めた広い被験者を対象にした調査が必要ですね。