人の最高寿命は、まだ上限に達していない!

<人の最高寿命は、まだ上限に達していない!>

 

 厚労省によると、日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳で、ともに過去最高を更新した(2017年)との事で、高齢者の一員としてはうれしい限りです。

 ところで、この寿命に関しては以前から、「人の寿命は限界に達したか」の論争が続けられています。

 今回、米国の科学雑誌サイエンス(Science)に掲載された新たな研究論文には、人の寿命が延び続けており、今後も時間と共に延びていく可能性があると報告されています。

 これは、米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の統計学教授のケネス・ワクター(Kenneth Wachter)氏らの研究チームが発表したものです。

 研究は、2009年から2015年の期間に105歳以上だった全イタリア住民のデータを調査したもので、総計3836人のデータが基になっています。

 生誕年ごとの死亡率を比較したところ、105歳を過ぎると死亡リスクの上昇率は緩まって頭打ちなっており、時間の経過と共に死亡率がわずかながらに下降していることが明らかになりました。  

 即ち、年を重ねるにつれて、人の健康と死亡リスクは加速度的に悪化するものの、その後かなりの高齢にまでなると、その悪化が止まり、横ばい(プラトー)になるのだそうです。  

 そしてこの事は、「寿命には限界がみられない」という、希望をもたらすものであると述べられています。  

 ちなみに、人の寿命が延びた要因としては、社会経済的要因と医療の向上が挙げられています。