血液型と病気:A型は胃がんに注意

<血液型と病気:A型は胃がんに注意>

 

血液型の違いによって“死にいたる病気”が異なるそうです。

東京医科歯科大の高山渉特任教授(外傷外科)らが、'13~'15年度に入院が必要となる重傷を負った901人の患者のデータを分析したところ、「重傷のケガで緊急搬送された患者のうち、死亡率はO型が28%、O型以外が11%で、O型のみが2倍以上高いことがわかった」と発表し(2018年5月)、大きな反響を呼びました。  血液を固めて止血する血液凝固因子はすべての血液型で共通に存在しますが、ABO式血液型によって凝固因子の濃度に違いがあり、そのためにほかの血液型に比べ、O型は血が止まりにくいのだそうです。そしてそのことが、重傷のケガでO型の死亡率が高い理由と説明されています。  ちなみに、日本人はおおよそA型4割、O型3割、B型2割、AB型1割に分けられるそうです。

世界的には北欧など寒冷地に多いA型の人では、O型に比べ血が固まりやすく、ケガや出産時に出血が止まりやすいのが特徴です。  その理由として、寒冷地では冬に出産に危険が伴いやすく、そのため出血が止まりやすいA型が多いのではないかという説があるそうです。  しかし半面、血の固まり(血栓)ができやすいことになります。  実際、'07年の英国の調査では、非O型はO型に比べ血栓のリスクが1.79倍高く、脳血栓心筋梗塞の危険が指摘されています。  さらに、A型の人は胃がんの発症のリスクも高く、スウェーデンの研究チームが100万人を対象に35年間のデータを調べた結果、A型はO型に比べ1.2倍もそのリスクが高いと報告されています。  

同じように、'11年には日本の研究チームが703人の胃がん患者を調べたところ、やはりA型がもっともかかりやすいという結果が出ているそうです。  欧州では南にいくほどO型が多く、さらにアフリカでは6割以上がO型とされています。  

熱帯地方を中心に猛威を振う伝染病のマラリアは、その病原体である原虫が血液中の赤血球に入り、腎臓や肺、脳が機能不全になる病気です。

そのため、血液凝固因子が少ないO型の人は感染しても重症化しにくく、生存率が高くなってO型の人が多くなったと考えられています。  また、血栓ができにくいので、心筋梗塞脳梗塞のリスクもほかの血液型より低くなっているそうです。  ところが、そんなO型の意外なリスクが胃潰瘍などの消化器潰瘍との事です。

スウェーデンの調査によると、O型の胃潰瘍のリスクを1とするとA型は0.81、B型は0.74、AB型は0.64と、圧倒的にO型は胃潰瘍になりやすいことが明らかになっており、その原因のひとつとしてあげられるのがO型を好むピロリ菌の存在だそうです。  

ご存知のように、ピロリ菌は胃や十二指腸に寄生する細菌で、胃炎や胃潰瘍の原因とされています。

また、’04年に国際研究チームが行った調査では、O型を好むピロリ菌が発見されているそうです。

したがって、O型の人で胃の調子が悪いときは、ピロリ菌の検査をしてもらったほうが良いように思われます。  ただ、O型は胃潰瘍にはなりやすくても、胃がんにはなりにくいとデータで確かめられているのでやや安心ではあります。

 

さて貴方は何型です?