宇宙旅行で、遺伝子が変化する?

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先日、「はやぶさ2」探査機が小惑星リュウグウへの2回目のタッチダウンに成功しましたが、いよいよ、宇宙旅行も能になりそうです。

アマゾン・ドット・コムの創業者が経営する宇宙ベンチャー企業が、初めての宇宙旅行を一人20-30万ドルで募集するとの事で、3000万円出せば宇宙に行けるようになります。

宇宙旅行の期間はどのくらいになるかはわかりませんが、今回、宇宙に1年間滞在した宇宙飛行士は、身体の外見だけでなく、遺伝子にも変化が起きているという研究結果が、米航空宇宙局(NASA)から発表されましたので、ちょっと心配です。

研究では、国際宇宙ステーションISS)に1年間滞在したスコット・ケリー宇宙飛行士について、地上にいた一卵性双生児のマーク氏・ケリー氏の遺伝子などを比較しました。

その結果、遺伝子のうち7%は地球に帰還してから2年たった後も、正常な状態に戻っていないことが分かりました。 そして、以前は一致していた2人の遺伝子が、宇宙滞在後は一致しなくなっていたということです。

今回の研究結果は、NASAが進める人体研究プロジェクトのワークショップで発表されたもので、研究では宇宙滞在によって起きる身体的変化を調べるため、スコット氏の代謝産物(生命の維持に必要)、サイトカイン(免疫細胞によって分泌)、たんぱく質(各細胞内の活力)について、宇宙滞在前と滞在中、帰還後に測定を行いました。

その結果、宇宙滞在は酸欠によるストレス、炎症の増加、劇的な栄養の変化をもたらし、遺伝子発現に影響を及ぼしていることが分かったそうです。

スコット氏の遺伝子発現は、地球に帰還すると93%が正常に戻りましたが、残る数百の「宇宙遺伝子」は変異したままで、その一部は宇宙滞在のストレスによって変異したと考えられています。

また、スコット氏の細胞では、酸欠と高濃度の二酸化炭素が原因と思われる低酸素症が起きており、ミトコンドリアにも損傷の形跡があったようです。老化の程度を表す染色体末端部位のテロメアにも変化が見られました。

宇宙滞在中はテロメアの長さの平均値が大幅に伸びたのですが、地球に戻ると約48時間以内に、出発前に近い値に戻って落ち着いたそうです。

そうしたテロメアの変化やDNAの損傷は、放射線とカロリー制限によって引き起こされたと推定されています。

ほかにもスコット氏のコラーゲンや血液凝固、骨形成にも、体液移動や無重力の影響と思われる変化が起きており、免疫が異常に活性化する現象も確認され、極端な環境の変化によるものと思われます。

まだまだ宇宙旅行は不安な部分が多いようですね。私は旅費の問題も含め、止めときます。