過労で心の病 女性は20歳代の自殺が最多!

<過労で心の病 女性は20歳代の自殺が最多!>
 
 新入社員の5月病も終わり、いよいよ残業や過労が気になる時期になりました。
 電通の新入社員高橋まつりさんの過労死が認定され、大きな社会問題となりましたが、ただでさえ若い方が亡くなるのは悲しい事なのに、職場での過労が原因というのは怒りを覚えます。
 
 さて、厚生労働省の「過労死等防止対策白書」によりますと、平成22年1月〜27年3月までの約5年間に、過労による心の病(精神障害)で労災と認定された労働者の割合が30歳以下の若年層で高い事が報告されています。
 そして、心の病から自殺に至った事例は男性で40代、女性で29歳以下に多い事が明らかになっています。

 調査は全国の労働局や労働基準監督署に保管されている脳・心臓疾患と精神障害による労災調査資料を元に、労働安全衛生総合研究所が分析したものです。
 精神障害の労災認定は「業務による強い心理的負荷」を要件とし、「3カ月連続で残業月100時間以上」などとされていますが、この白書によりますと男性の発症時の年齢では「30〜39歳」が最も多く、雇用者100万人当たり12.4件になっていました。
 また女性では「29歳以下」と「30〜39歳」で7.7件と最も多かったそうです。
 脳・心臓疾患で労災認定された人を世代別でみると、50代が100万人当たり11.2人で最多で、業種別としては漁業(100万人当たり38.4人)、運輸業(同28.3人)、建設業(同7.9人)の順でした。

 また、精神障害による労災は漁業(同16.4人)、情報通信業(同13.5人)、運輸業(同13人)の順でした。
要因別では1カ月160時間を超えるような極度の長時間労働(122件)や、労災ラインとされる80時間以上の時間外労働(143件)など長時間労働に起因するものが多いとされています。
 漁業が脳・心臓疾患と精神障害の両方で最多となったことについて、厚労省は「漁は長時間労働になりがちで、従事者の高齢化が進んでいることも要因と考えられる」と分析していますが、皆様、“働かせ過ぎ、働かされ過ぎ、働き過ぎ”にはくれぐれもご注意を。