アルコールは発がん物質!

<アルコールは発がん物質!>

 アルコールに発がん作用があることは30年ほど前から云われているのですが、世の中ではあまりに無視されているため、米国臨床腫瘍学会が改めて「アルコールは発がん物質であり、飲酒を見直すべき」と専門誌に提言しました(Alcohol and Cancer: A Statement of the American Society of Clinical Oncology. Journal of Clinical Oncology. 2017 )。
 そこで今日は、耳の痛い「アルコールは発がん物質」というお話です。

 アルコールが原因であることが医学的に判明しているがんは多数あり、特に口腔がん、咽頭がん食道がん、大腸がん、肝がん、乳がんの発症リスクが高くなることが知られています。

・アルコールと食道がん: 特に体内でアルコールが直接接触する臓器で発がんのリスクが高まることがわかっており、例えば推奨量上限の3倍もの飲酒を続けていると、食道がんを発症するリスクが8倍になり、またアルコール度数の高いお酒を飲む人では更にそのリスクが高くなります。

・アルコールががんをきたす機序: その代謝物であるアセトアルデヒドの作用が疑われています。特に日本人ではアセトアルデヒドを分解する酵素の活性が弱い人が多く、お酒を飲んだら顔がすぐに紅くなる人は注意が必要です。

・これに加えて飲酒者がタバコを吸う場合では、相乗効果で発がんのリスクは更に高まります。

 実は私も、お酒を飲むと真っ赤になるタイプなのですが、かといって好きなお酒をやめられず・・・今後は、水割りなどアルコール度の低いものにしようと考えています