高齢の患者さんは、抗がん剤の使用は慎重に

<高齢の患者さんは、抗がん剤の使用は慎重に>

 今年もあと、2週間になってしまいましたが、皆様、今年一年は如何でしたでしょうか?
 さて、ご存知のように、日本人の死因ナンバーワンはがんです。
 その際、抗がん剤は手術後の再発予防や手術できないがんの進行を遅らせたりする目的で投与されます。
 ところが、抗がん剤は非常に強力な薬であるため、がん細胞を破壊する一方で健康な細胞まで傷つける“両刃の剣”となり、副作用に悩まされる例が多くあります。“クスリはリスク”と云われるゆえんです。

 ところで、逆に抗がん剤の服用を中断すると余命が延びたという報告がされています。これは、国立がん研究センターが2007年から2008年に中央病院を受診した末期がん患者の登録データを解析したものです。
 確かに、75歳未満の患者さんの場合では抗がん剤を使用したほうが、未使用の患者より明らかに生存期間が長く、抗がん剤の効果が証明されたのですが、75歳以上の患者さんの場合では、逆に抗がん剤未使用の患者さんのほうが最大で半年長生きしたとされています。
 特に末期がん患者さんでは、抗がん剤の使用が逆効果になると述べられています。
 抗がん剤を服用の条件として、全身状態が良好であることが必要なのですが、そのような体力がない場合では抗がん剤の副作用が薬効を上回り、命を縮めると考えられます。
 また、投薬の量を減らすことが寿命延長に繋がるとする報告や、他の治療薬と組み合わせると逆に死亡リスクが増す抗がん剤も知られています。
 もちろん、抗がん剤そのものの効果は大変重要な事ですが、効能と副作用のプラスマイナスを充分に考えて、服用することが大切です。