ノーベル医学生理学賞は、体内時計を研究した米国人３氏に

＜ノーベル医学生理学賞は、体内時計を研究した米国人３氏に＞

　いつの間にか、ノーベル賞受賞者の話題も出なくなってしまいましたが、村上春樹さんは本当に文学賞をとれるのでしょうかね？
　さて、今年のノーベル医学生理学賞は、米国のジェフリー・ホール、マイケル・ロスバッシュ、マイケル・ヤングの3氏に決定されましたが、業績は「概日リズムをつかさどる分子的な仕組みの解明」で、睡眠などに関わる約１日周期の体内時計の仕組みを明らかにした訳です。

　ホール氏らは1980年代に、ショウジョウバエの遺伝子変異から体内時計の遺伝子を発見し、周期を意味する「ピリオド」と名づけました。
　このピリオドがつくるたんぱく質は夜間にたまり、日中に分解されるものですが、このたんぱく質が別のたんぱく質の量を調整することで、体内時計が決められる事が明らかになりました。
　その後、この「ピリオド」は人間にも見つかり、この仕組みは多細胞生物に共通に存在し、睡眠や体温の上下、ホルモン量の制御にも影響していることが分かってきました。時差ぼけにも関係しているそうです。

　さて、日本を含む先進各国では、不眠による様々な問題が生じています。これにはいろいろな原因が考えられますが、最終的には体内時計の乱れが起こり、不眠を引き起こしていることになります。
　今回のノーベル賞が、不眠による様々な問題を解消する第一歩になることが期待されます。
　そして来年こそは、村上春樹さんの受賞を期待しています。