病気になりやすさは高学歴ほど低いが、収入には関係ない

<病気になりやすさは高学歴ほど低いが、収入には関係ない>


 病気になりやすさと学歴、そして収入との関係については、以前から色々な方が述べています。
 今回、ミネソタ大学の久保田康彦研究員が、生涯で心筋梗塞脳卒中になるリスクは収入に関係なく、高学歴の人ほど低い事を明らかにしています。

 研究では、米国在住の45〜64歳の男女1万394人について、20年以上追跡した大規模調査について詳しく分析しました。

 そして学歴や収入でグループ分けし、45〜85歳までに心筋梗塞心不全脳卒中といった循環器疾患を発症するリスクを算出しました。

 その結果、学歴別にみると、最終学歴が高いほど循環器疾患の発症リスクは下がり、大学院卒が最も低かったそうです。
 また、高校中退者の発症リスクは50.5%と2人に1人と高く、高卒の41.7%に比べ約10ポイントも高く、高校教育を終えたかが健康格差の分かれ目と考えられました。
 更に高校以上の卒業と収入の高低による発症リスクを比べると、高卒以上で低収入の人のほうが、高卒未満で高収入の人よりもリスクが低い事が分かりました。
 これらの結果から、収入よりも学歴が健康格差を生む可能性が強いと結論されています。

 収入が少なくても、知識や価値観が健康維持に重要なのかもしれません。