アルコールが弱い女性は、骨粗鬆症になりやすい

<アルコールが弱い女性は、骨粗鬆症になりやすい>

 最近の女性はお酒も強い人が多いのですが、お酒が弱い女性は高齢になってから骨が折れやすくなることが分かりました。
 元々女性は、閉経後に骨粗鬆(そしょう)症になりやすいのですが、アルコールの分解にかかわる遺伝子の働きが弱いと、さらに骨がもろくなる可能性があるという事です。
 これは慶応大などの研究チームが、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表したものです。

・論文タイトル: A missense single nucleotide polymorphism in the ALDH2 gene, rs671, is associated with hip fracture
・著者: K Takeshima, T Miyamoto 他
科学誌名: Scientific Reports 7, Article number: 428 (2017) doi: 10.1038/ s41598-017-00503-2 Published online:27 March 2017

 研究では、アルコールを分解する酵素をつくる遺伝子「ALDH2」に着目し、骨折の起こりやすさとの関係を調べました。ちなみに、このALDH2遺伝子の働きが生まれつき弱い人は悪酔いの原因となるアセトアルデヒドをうまく分解できず、酒に弱くなります。
 中高年女性で大腿骨骨折した92人と骨折を経験していない48人の遺伝子を調べて比較したところ、骨折した人ではこの遺伝子の働きが弱い人は58%もいたのに対し、骨折していない人では35%でした。
 この結果を年齢などの影響を除いて比べたところ、遺伝子の働きが弱い人の骨折リスクは、そのようなリクスがない人の実に2.3倍も高かったそうです。
 さらに、このことを確認するためマウスの細胞を用いて実験したところ、骨を作る骨芽細胞にアセトアルデヒドを加えると働きが弱まるのに対し、ビタミンEを補うと機能が回復することが分かりました。この事から、アセトアルデヒドが骨をもろくする可能性があると考えられるそうです。
 以上の結果から研究者は、「お酒に強いか弱いかは生まれつきで変えられないが、骨折のリスクをあらかじめ自覚し、ビタミンEの適度な摂取で予防できる可能性がある」としています。

 さて、貴女はお酒は強い方ですか?