キスでうつるガン

<キスでうつるガンもあります>

 厚労省が「オーラルセックスと性感染症」についての国内情報を発表し、性感染症に対する注意を喚起しています(オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A 厚生労働省)。
 さて、一般的にはガンは性感染症には入れられていないようですが、ヒトパピローマウイルスによる感染により、咽頭がんや子宮頸がんが発生する場合があります。
 セックスを介してうつるという点では一緒ですし、オーラルセックスとの関連性も深いとされています。
しかし、「がんがうつる」という表現は、がん患者さんへの差別や偏見を広めることになるため、公的な機関は注意深く避けているようです。
 例えば、ある県のホームページでは「がんはうつるのですか」という質問に対して、「基本的にはがんは他人にはうつりません。しかしウイルスによって生じるがんがありこれらは例外となります。この発がん性のあるウイルスとしては、肝炎ウイルス(B型およびC型)、EB(エプスタイン・バー)ウイルス、ヒトパピローマウイルスヒトT細胞白血病ウイルスがあり、それぞれ肝がん、B細胞リンパ腫、皮膚がん、子宮頚がん、T細胞白血病を引き起こす可能性があります。がんがうつるというよりもがんの原因となるウイルスに感染することがある」と、回りくどい表現を行っています。
 このEBウイルスによる代表的な感染症には「伝染性単核球症」という風邪に似た病気があり、「唾液」によって感染することから、別名「キス症」とも呼ばれているそうです。
 実際、日本人の90%以上が感染しており、成人時にはすでに抗体を備えているとされているのですが、このウイルスは咽頭がん胃がんの発生に関係していることがわかっています。
 キスをするときは頭に血が上って忘れているでしょうけど、老婆心ながら、ちょっとご注意まで!