癌の苦しみを外に表すと、ストレスが解消しQOLも改善する

<癌の苦しみを外に表すと、ストレスが解消しQOLも改善する>


最近、ツイッターやブログなどを用いて、自分の生活をインターネット上で発表することが盛んになってきました。
そこで今日は、自分の日記や思いを書き留めて置くだけでなく、外に向かって大声で叫んだ方がよさそうと云う話題です。

単に職場や家庭などでの鬱積を晴らすだけでなく、健康上や病気の治療にもよいようです。
実際、患者さんが自分の疾病への恐怖などを書きだすことによりQOLが改善した、という研究もあります。

これは、Lombardiセンターの芸術・人間プログラムの一環としてNancy Morgan女史が癌学会誌The Oncologist に報告したものです。

研究は、ワシントンDCがんセンター病院に入院している白血病やリンパ腫の患者さんを対象にして行われたもので、癌がどのように自分を変化させたか、そしてその変化を自分はどのように感じているかなどを、20分間にわたって書き出してもらいました。
そして2週間後に再び同様のことを書いてもらい、心理的な変化などを調べました。

すると、49%の人がこのようなライティングによって自分の病気に対する考えが変わり、また38%の人が積極性が増し、自分を取り巻く環境が改善しつつあると感じていることが分かりました。
即ち、約半数の人が自分の病気に対する考えがプラス方向へ向くようになり、特に若い人にその効果が高かったそうです。

これらの結果から、このようなライティング手法は心理的によい効果をもたらし、QOLが改善する非常に効果のある療法であると結論しています。

実は先日、私の知りあいの方が、若くしてがんで亡くなられました。
その方は自分の症状を人に知らせたくなかったようでしたが・・・。
ご冥福をお祈りいたします。