テレビを長時間見る人はエコノミー症候群のリスク

<テレビを長時間見る人はエコノミー症候群のリスク>

 最近の若い人はあまりテレビを見ないそうですが、我々団塊の世代が子供の頃は、テレビはつけっぱなしで、食事中もテレビ漬けの日々でした。
 さて、そのようにテレビを長時間見る人は、肺の血管がつまる肺塞栓(そくせん)症で死亡するリスクが高いことが分かったというニュースです。
 これは大阪大学の白川透特任研究員らの研究チームが、米国医学誌のCirculation誌に報告したものです。

論文タイトル: Watching Television and Risk of Mortality From Pulmonary Embolism Among Japanese Men and Women
著者: Toru Shirakawa 他
医学誌名: Circulation. 2016;134:355-357, published online before print July 25, 2016 (http://dx.doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.116.023671

 研究は、1988〜90年の間に、40歳から79歳となっている成人約8万6千人を対象に、1日のテレビ視聴時間など日常生活に関するアンケートを実施しました。
 そしてその後の約20年間にわたって、これらの人の健康の状況を追跡調査しました。
 その結果、2009年末までに59人の方が肺塞栓症で死亡していることがわかったそうです。
 ちなみに、この肺塞栓症という症状は、同じ姿勢を長時間続けると発症することがあり、エコノミークラス症候群としても知られているものです。
 そして、亡くなった人について詳しく調べたところ、テレビを1日に5時間以上見る人の死亡リスクは、2時間半未満の人に比べて、2.5倍も高いことが分かりました。
 また、テレビを1日に2時間半〜5時間以内見る人の死亡リスクは、2時間半未満の人の1.7倍となっていました。

 以上の結果から、「テレビを長時間見る人は肺塞栓症で死亡するリスクが高く、それを防ぐためには1時間に1回は歩行したり、ふくらはぎをマッサージする事が重要」とされています。