トウガラシ:手術後の痛みの軽減にも有効

<トウガラシ:手術後の痛みの軽減にも有効>


 私は、唐辛子の生産では日本一の大田原市の近くに住んでいます。
 そのためか、青空市場や道の駅には新鮮な唐辛子がたくさん売られています。
 そこで今日は、唐辛子に関する話題をお送りします。
 
 このトウガラシに含まれる辛味成分のカプサイシンは、胃を刺激して食欲増進、脂肪を分解するダイエットの効果、発汗させ体温を下げる作用、あるいは癌にも効くなど、様々な効果が知られています。
 さらに、外科手術後の痛みの軽減にも有効、というお話です。

 デンマークJuliana MarieセンターのEskve Aasvang博士らが、米サンフランシスコで開催された米国麻酔学会(ASA)年次集会で発表したものです。

 研究では、男性約20人に対して、ヘルニアの手術中に精製カプサイシン1,000μgを手術部に直接投与し、プラセボ薬を投与した20人と比較しました。
 その結果カプサイシン投与群では、手術後3日間での痛みが、大幅に低下することがわかりました。
 なお、その間、重大な副作用も見られなかったそうです。
 以上の結果から、痛みに関与する神経線維阻害薬として、カプサイシンは極めて有望であるとのことです。
 
 また、カプサイシンの軟膏は帯状疱疹での痛み治療に実際に用いられているそうです。
 米ハーバード大学医学部のラットを用いた実験で、カプサイシンとリドカイン誘導体を併用した場合、顕著な痛み軽減作用が確認されており、将来は麻酔なしでの歯科治療に応用できる可能性があるとのことです。

 ただし、痛みの軽減目的に唐辛子を患部に塗るのはお止めください。
 因幡の白兎になりかねませんので・・・。