コレステロール値が高いのは遺伝?

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日本人は比較的コレステロールの値が低いとされていました。
ところが最近のデータでは、若年層のコレステロール摂取量は米国人に比べて男性1.5倍、女性2倍という状況で、コレステロール値が高いことによる疾病が問題となってきています。
さてこの高コレステロール症は遺伝性で、日本の家族性高コレステロール血症の患者総数は約30万人と推定されています。

ところが最近、遺伝子が原因となっているのは高コレステロール血症のわずか2%で、これまで考えてきたよりもはるかに低いとする研究が報告されました。

これは先日、米シカゴ(Chicago)で開催された2016年度米心臓学会(American College of Cardiology)で、マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)のアミト・ケラ(Amit Khera)氏が発表したものです。

今までは、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の値が190 mg/dl以上の高コレステロールの人では、25%が遺伝子異常による家族性高コレステロール血症であると云われていました。

そこで今回の研究では、コレステロール値が非常に高い2万6000人以上を対象に、過去最大規模の遺伝子の配列解析を実施したそうです。
その結果、家族性高コレステロール血症につながるとされる遺伝子変異を持つ人はわずか2%であることが分かりました。
その一方で、こうした人が50〜60代までに心臓の動脈血管内に命を脅かすほどのプラークが形成されるリスクは、平均的なコレステロール値(LDLが130 mg/dL未満)の人と比べて22倍高かったという事です。

以上の結果から、高コレステロール値を招く原因には、偏食や運動不足など数多く存在しており、遺伝子変異単独では影響が少なくても、他の要因が重なることによりコレステロール値に大きな影響を与える、と結論しています。

という事ですので、遺伝子は思ったようには変えられませんので、先ずは偏食や運動不足の解消を!