心臓病のリスクは、胴回りのサイズで分かる

<心臓病のリスクは、胴回りのサイズで分かる>

 心疾患は動脈硬化が主な原因です。
 特に、虚血性心疾患の危険因子は動脈硬化そのもので、心臓の冠状動脈に動脈硬化が起これば虚血性心疾患になります。
 したがって、動脈硬化を引き起こす5つの危険因子、高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満がそのまま虚血性心疾患のリスクファクター(危険因子)となります。

 さて、将来心臓病にかかるかどうかを予測する上で、体重と身長の関係から算出されるBMIが有効とされていますが、今回、胴回りのサイズの方がより有力な指標になる事が分かりました。

 これは先日、米シカゴで開かれた2016年度米心臓学会(American College of Cardiology)で、米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の医師ボアズ・ローゼン(Boaz Rosen)氏らの研究チームが発表したものです。

 研究では、現時点では心臓病にはなっていない糖尿病の患者さん200人を対象に、将来心臓病になる危険リスクについて調べました。

 その結果、胴回りのサイズが大きい人は小さい人より、酸素濃度が高い血液を脳などに送り出す左心室の機能に異常がある場合が多いことが分かりました。
 研究チームによると、胴回りのサイズを測れば心臓病の兆候があるかどうかが判定可能で、胴回りのサイズを落とせば心臓病になるリスクを減らせる可能性があると結論しています。

 肥満そのものも心疾患のハイリスクですが、中でもお腹の周りがだぶついている方は要注意のようです。