風邪だけでなく、老化予防にもビタミンCが有効

<風邪だけでなく、老化予防にもビタミンCが有効>


 新年おめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 この冬は暖冬で、今日も最高気温が15度を上回りそうです。
 しかし、そのあとすぐに平年の寒さがやってくるとの事ですから、風邪にはお気をつけください。

 さて、「風邪にはビタミンC」とみかんを食べたり、「ビタミンCサプリメントを飲むと治りが早い」とお考えの方も多いと思います。
 ちなみに、有名なライナス・ボーリング博士は、「風邪をひいたと思ったら、ビタミンCの錠剤をすぐ飲む。2時間おきに飲めば風邪は治る。また、毎日摂取すれば、風邪にはかからない」と話されています。

 風邪の話はこれくらいにして、「ビタミンCは老化の抑制にも有効」という今年の最初のお話を。
 東京医科歯科大などの研究チームが米国科学アカデミー紀要(Proceeding of National Academy on Science)に報告した内容です。
 研究では、老化が進むと産生量が減少するたんぱく質を解析したところ、なんとビタミンCを合成する酵素と同一であることが分かりました。
 次に、このたんぱく質を持たないマウスを遺伝子操作で作り、正常なマウスと同時に飼育したところ、生後6カ月後には正常なマウスはすべて生きていたのに対し、このたんぱく質を持たないマウスは半数が老衰で死亡すること明らかになりました。実に4倍も早く老化が起こったことになるそうです。
 また、臓器や血中のビタミンC量を比べたところ、このたんぱく質を持たないマウスは正常なマウスのビタミンCの10分の1しか作られていませんでした。
 これらの結果から、研究チームは「マウスは体内でビタミンCを合成するため、たんぱく質を持たないマウスは、ビタミンC合成ができず、老化が急速に進んだと考えられる」としています。
 なお、ヒトの場合はマウスと異なり、体内でビタミンCを作ることはできないので直接的に老化予防に役立つとはいえないのですが、ビタミンC代謝経路を活性化する事で同様に老化を抑制できると考えられるそうです。