セックスと健康の関係

<セックスと健康の関係>


 「最近どうも、夜の生活の調子が悪い。とんと、ご無沙汰している。」などの性に関する悩みはありませんか?
 このような悩みは表にはなかなか出しにくい問題です。
 しかし、性生活と健康には強い関係があることは、私たち自身が気がついています。

 実際、寝室での問題は深刻な健康上の事象と密接に関係しており、たとえばED(勃起不全症候群)などの疾患は、心臓病やうつ病、或いはその他の重大な疾患の予知に有用であることが、医学専門誌に沢山報告されています。
 中でも気になる報告を取り上げてみました。

 医学誌ランセント(Lancet)に、バンクーバーにあるブリティシュコロンビア性医学研究センター(British Columbia Centre for Sexual Medicine)のRosemary Basson博士が報告したものです。

 それによりますと、性に関する事項は医学領域においても重要な健康上の指標なのですが、現実にはその重要性が認識されておらず、他の問題にすり替えられている、と警告しています。
 実際、性に関するトラブルは、その人の健康上の危険度を示す指標になるものだそうです。
 たとえば、もしある男性がEDとなった場合、それは単に表面に現れた氷山の一角に過ぎないかもしれません。
 実際、EDの場合は心疾患が異常である可能性が高く、ある研究結果によると、心臓疾患で心臓手術を受けた132名の男性の内、約半数がEDの症状を示していたとの報告があるそうです。

 このようなセックスに関することは、患者さんも医師も話しにくいことです。
 しかしまずは医師が積極的に、患者さんのセックス回数などの性生活の状態を聞き、その裏に隠れている疾病の有無について考える必要があるとしています。
 また、患者さんのほうも、医師に対しては積極的に話すようにしなければならないと注意しています。
 それでも男性の場合は、比較的情報交換がしやすいのですが、女性の場合ではそのような性の手がかりを得るのはさらに難しいことが指摘されています。
 女性の場合は男性のように性の問題として顕著には表れないようですが、性欲が無くなった女性では、そのうちの26%の人がうつ症状に陥っていた、との報告もあるようです。
 また、ホルモンのバランスの乱れや腎臓病、糖尿病などの慢性疾患も関係している可能性が高いので、十分注意すべきとのことです。

 皆様、ご自分の性生活と健康について、もう一度考えてみませんか?