抗うつ剤の副作用:青少年の自殺

抗うつ剤の副作用:青少年の自殺>


 最近の社会状況を反映してか、うつ病が大きな問題となっています。
 超高齢化時代を迎えての高齢者の方、職場環境の変化による中高年令層の方、そして自分の将来像を描けない青年層、或は学校生活の不安などの青少年、それぞれが不安な日々を送っています。

 このようなうつ病に対しては、様々な治療薬が市販されており、確かに有効な治療法となっています。

 しかし、抗うつ薬を青少年が服用すると自殺願望が高まり、危険な状態になる可能性が高いという警告を、米食品医薬品局(FDA)が行っています。

 これは、パキシル(塩酸パロキセチン水和物:売上高は昨年、日本国内で約500億円。抗うつ剤の中で国内シェア最大)を含む全ての抗うつ薬に対してで、24歳以下の青少年が「服用すると自殺のリスクが高まる」との警告がなされているものです。

 FDAが、パキシルプロザックゾロフトなど11種の抗うつ剤に関する計10万人に及ぶ治験データを調べたところ、18〜24歳の患者では、自殺や自殺未遂、自殺願望を持った事例が多かったという事が元になっています。

 日本でも、厚生労働省パキシルの添付文書に対して「若年成人に投与中に自殺行動のリスクが高くなる可能性が報告されているため、注意深く観察する」との注意喚起を行っています。


 「クスリはリスク」といわれるように、必ず副作用が伴います。
 薬の服用による、利益と不利益を常に考えながら使用する事が重要です。