情緒不安定な人ほど創造的で、アイデアに富む

<情緒不安定な人ほど創造的で、アイデアに富む。>


 笑ったと思ったら、すぐに怒り出す・・・こんなに人は身近にいませんか?

 そのような感情の起伏の激しい人は創造力が高く、アイデアパーソンである可能性が高いのだそうです。

 これはワシントン大学ビジネススクールの Christina Ting Fong氏が、管理職向けの専門誌the Academy of Management Journalに発表したものです。

 それによりますと、感情の起伏が激しく不安定で、いつも躁の状態と鬱の状態が入り混じっている人は、いつもニコニコとハッピーな人や、逆にいつも沈んでいて悲しそうな人、或いは感情の起伏の乏しい人よりも、創造力に富むそうです。

 この結論は、次の2つの研究によるものです。

 最初の実験では、102名の大学生に、今までの人生で体験した感情的な出来事、例えば、幸福を感じたときや悲しみの時、或いは感情が昂ぶり起伏の激しい時を思い出してもらいました。
 そしてその当時の生活の変化、仕事や学業の成績などについて調べました。
 すると、幸福な感情の時、悲しい感情の時、或いはそのどちらでもない場合は、生活活動にはあまり変化が無かったのに対し、感情の起伏が強い時には、創造的な活動性が高まっていたそうです。

 次にこれを確認するため、第2の実験では138名の学生に、1)感情の起伏の激しくなるような映画、2)全然面白いと感じないような映画、3)単に楽しい映画、4)逆に悲しくなる映画を見てもらい、その後に心理テストを行いました。
 その結果、1)の感情の起伏を引き起こす映画を見た後には、感情が変化することのない2)の場合に比べ、明らかに創造力が高くなっている事が分かりました。
 また、3)の楽しくなる映画や、4)の悲しくなる映画を見た後でも、そのような創造性は高まることは無かったそうです。

 以上の結果から、刺激を受けやすい環境にいる人は、プラス或いはマイナスの入り混じった感情になりやすく、またその状況を克服するために創造力が必要となる事が多く、それが習慣づけられたため、と考えられるそうです。

 そして、そのような感情の起伏が高まる環境は、集団生活を維持するにはネガティブな状況ですが、そういう状況にあってはじめて、創造力豊かな状況を作るとしています。

 また、管理職の女性は、通常の従業員女性よりも感情の起伏が激しいとよく言われます。
 そこでそのような管理職女性について調べたところ、いずれの人も高い創造性を持ち、発展的な仕事をする傾向が強いことがわかった、と述べられています。


 さて、あなたの周りにそのような方がいらっしゃいますか?
 ひょっとして、あなた自身が・・・。