便秘しやすい人は、大腸がんになりやすい?

<便秘しやすい人は、大腸がんになりやすい?>


 最近、日本国内でも大腸がんが増えています。
 食生活の西洋化が原因というのが定説のようですが、また便秘気味の人は大腸がんになりやすいとの説もあります。

 ところが、厚労省研究班の結果によると、便秘と大腸がんとの間には関係があるとはいえなさそうという事です。

 これは、厚生労働省の研究班が6万人規模の追跡調査からまとめたもので、日常的に便秘気味や下痢気味でも、大腸がんになる率は、便通が正常な人と変わらなかったそうです(米医学誌「疫学紀要」)。

 研究班は、1993〜1994年に、全国の40歳から69歳までの男女58,000人から、便通の回数や日ごろの便の状態などの聴き取り調査をしました。

 そして、その後2001年末までこれらの人の健康状態を追跡したところ、このうちの男女計479人が大腸がんと診断されていたそうです。

 次にこれらの人の便通の程度と照らし合わせたところ、便通が「週に2,3回」という便秘の人が大腸がんになった率は、「毎日1回」「1日に2回以上」の人と変わらない事が明らかになりました。

 これらの結果から、週に2,3回程度の便通がある便秘なら、大腸がんを心配しなくてもよいだろうということです。
 しかし、週に1度程度の人や下痢が毎日続く人は、がんに限らず他の病気の可能性がありますので、医師に診てもらうようにとの事です。

 以前、食物繊維摂取量と大腸がんの関係を調べた研究もありましたが、その場合も直接関係がないという結果でした。
 しかし、だからといって食物繊維を摂る事は意味がないというわけではありません。

 便秘や下痢になると、お肌にもよくありませんし、体力の消耗が激しくなります。
 便秘や下痢の原因になるような(食)生活を避けるのは当然のことですので、ご注意を。