メスは、強いオスより求愛上手なオスを選ぶ

<メスは、強いオスより求愛上手なオスを選ぶ>


メスは強いオスを好むと考えられていますが、本当は求愛行動が上手なオスを選ぶのだそうで、定説を覆す発見として注目されています。

これは、岡山大の研究チームが英王立協会紀要Proceedings of the Royal Society B電子版に発表したものです。

論文タイトル: Sexual conflict over mating in Gnatocerus cornutus? Females prefer lovers not fighters.
科学誌名: Proc. R. Soc. Lond. B, 2014, 281, 20140281; (doi: 10.1098/rspb.2014.0281)
著者: Okada K, Katsuki M, Sharma MD, House CM, Hosken DJ.


研究は、昆虫のオオツノコクヌストモドキ(体長約5ミリ。穀物を食べる害虫で、国内では本州と九州に分布。)1000匹以上の行動様式を詳細に観察し、孫の代以降にどんな特徴が受け継がれているかを調べました。

その結果、戦いに有利な大きなあごを持つオスよりも、足でメスの体をたたくという求愛行動が上手な方を雌が選ぶ傾向があることが分かりました。

即ち、戦いに強いオスより求愛の上手なオスを好むという事で、その理由として、オスのあごを大きくする遺伝子はメスの産卵数を減らす働きがあり、次世代以降では繁殖の上で不利になるためと考えられるそうです。

今までは、メスが強いオスを選ぶのはエサを確保し、強い子孫を産んで自分の遺伝子を残すためと考えられていました。
しかし実際は、強いオスより、求愛上手な相手を選んで自分の遺伝子を残そうとしており、理にかなった行動との事です。

さて、人間の世界は???