関節が柔らかすぎる人は、慢性疲労症候群にご注意!

<関節が柔らかすぎる人は、慢性疲労症候群にご注意!>


 「何時も疲労感が強く、体がだるい。」

 こう云うと、よく知らない人からは怠け病と非難されることがあるのですが、慢性疲労症候群は、原因不明の疲労感が長期間続く、CFS(Chronic Fatigue Syndrome)と呼ばれるレッキとした病気です。

 20代から40代に発症するケースが多く、そのうち女性が6-7割程度を占めるものです。
 日本では、約20万人がCFSを罹患していると推定されているのですが、あまりその実態が知られていないため、自分がCFSと気づかない人も多いといわれています。
 また、よく間違えられる、疲労が蓄積された慢性疲労とは全く別のものです。
 その疲労感は、難病と言ってもよい位のレベルで、体内の不快苦痛・不自由さ・障害の原因となっている場合も多いとされています。

 さて、この慢性疲労症候群の人は関節が柔らかいことが共通しており、ひょっとすると、関節が柔らかすぎることが慢性疲労症候群の原因の一つかもしれないという事です。

 これは、ジョンズホプキンス大学子供センターのPeter Rowe博士らが、小児科学会誌Journal of Pediatricsに報告したもので、慢性疲労症候群の新たな診断基準になるのではないかと期待されています。


 腰を曲げた時に簡単に両手が地面につくような人は時々いますが、それでも小指が反対側に90度以上曲がったり、親指が腕につく程曲がったりする柔らかい関節の人は、20%程度しかいないそうです。

 ところが、慢性疲労症候群の子供の中には、そのような関節が非常に柔らかく、例えば座ったままの位置で、脚を後ろに曲げると頭につく様な子供が多い事が分かりました。

 実際、慢性疲労症候群と診断された60名の青少年について調べたところ、そのうち60%の人が、このような少なくとも4個の関節が柔らかすぎる事が明らかになったそうです。
 この研究者等は、関節が柔らかいために、ちょっとした運動が手足の末梢神経を圧迫し、そのため身体全身の神経システムに影響を与えて疲労感をもたらす可能性を指摘しています。

 しかし、このような関節が柔らかすぎる人がすべて、慢性疲労症候群である訳ではなく、関節がやわらかすぎる事と慢性疲労症候群の間の関係は今後更に研究が必要という事です。