慢性疲労症候群 子供時代にあまり動かない人に多い

慢性疲労症候群 子供時代にあまり動かない人に多い。>


 慢性疲労症候群CFS, Cronic Fatigue Sydrome)は、健康に生活していた人が突然発症し、極度の疲労感が長く続いて活動能力が低下する病気です。

 原因は明らかでなく、ウイルス感染症、免疫の異常、内分泌異常、代謝異常、精神神経疾患などさまざまなものが挙げられています。また、CFSには精神的な要素も含まれているため、生活様式や精神面を議論する人も多いようです。

 そこで今日は、子供のころにスポーツをしたり、活発に動いていた人は、CFSになりにくいという話題をお送りします。
 これは、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌(British Medical Journal)に報告されたものです。

 研究では、1970年に生まれた1万6,567人について、5歳、10歳、16歳、及び30歳になった時の病歴を調査し、生活様式慢性疲労症候群との関係を調べました。
 その結果、調査した人のうち93名(0.8%)がCFSと診断され、48名(0.4%)がその傾向があるとされていたそうです。

 次にCFSと診断された人を詳しく調べたところ、いわゆるマザーコンプレックスやその他の心理的な問題、アトピー傾向、肥満、登校拒否、学業成績、両親の問題などは、ほとんど関係がない事が明らかになりました。
 その一方で、CFSのリスクの高かったのは子供時代にあまり活動的でなかった人で、女性、上流階級の子がリスクファクターだったそうです。
 これらの結果から、子供の時に座っている時間の多い人が、慢性疲労症候群になり易いのではないかとしています。
 そして、子供には運動をさせ、じーっと座っているような生活を出来るだけ少なくさせた方が良いと、この研究者等は警告しています。

 ところで、このCFSの治療法はいまだに確立しておらず、漢方薬サプリメント、或いは精神療法がかなりの部分を占めているようです。
 よく用いられる漢方処方は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)で、免疫力を向上させる働きがあるオウギと言われる生薬が配合されています。 また、抗酸化ビタミンやミネラルなどのサプリメントもよく使われます。

 今回の報告にあったように、子供時代には活発な運動を行うのが、大人になってからのCFSの予防に有効と思われますので、お子様には充分運動するようご指導を。