妊娠中にビタミンCを摂りすぎると、子供が喘息になりやすくなる

<妊娠中にビタミンCを摂りすぎると、子供が喘息になりやすくなる>


 妊娠中に母親がビタミンEを摂取すると、子供が喘息になる危険性が少なくなることが幾つかの研究で明らかにされています

 ところが、同じように妊娠中にビタミンCを摂ると、逆に子供が喘息になりやすくなるという気になる話題です。


 これは、スコットランドAberdeen大学のSheelagh Martindale博士らが、米国誌American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineに報告したものです。


 研究では、妊娠中にビタミンの摂取を行った約2,000人の女性について、生まれた子供達が成長した時、何らかのアレルギー症状が生じているかを調べました。

 その結果、今までの研究結果どおり、母親が妊娠中にビタミンEを摂った場合には、その子供が2歳になった時、アレルギー症状の発生率が低下している事が確認できました。

 更に母親が既にアレルギー症状を持つ場合でも、ビタミンEを摂取すると、やはり子供がアレルギー性症状の発生率が低下していたそうです。

 ところがそれとは対照的に、妊娠中にビタミンCを摂った場合には、2歳児の喘息や湿疹の発生率が高くなっていました。

 特に摂取量の多い人では、最も少ない人の場合に比べてその頻度が3倍も多くなっていたという事です。

 なお、子供が1歳未満ではビタミンCやビタミンEの摂取の影響はなく、喘息などの発生率には差は見られなかったという事です。

 以上の結果から、母親がビタミンCを多く摂った場合に限って、その子供が2歳頃になるとアレルギー症状が高くなるとしています。

 また研究者らは、“これらの子供たちの追跡調査が必要で、将来子供達にどのような影響が出るか、また子供の食事法によりアレルギーの発生頻度が低下するかなどを調べる必要がある”としています。

 ビタミンCは必須ビタミンのひとつで、不足した場合には母親に壊血病などの病気が発生します。

従って、今後どの程度のビタミンCがこのような問題を生じさせるかなどを詳しく調べる必要があり、これらの結果を総合的に判断して、ビタミンCの摂取量を決める必要があると思われます。