2型糖尿病には、シナモンが効く

<2型糖尿病には、シナモンが効く>


 日本国内では、現在は690万人、40歳以上では10人に1人が糖尿病といわれています。   この病気は、血液中の糖(グルコース)の量が増加し、心疾患、腎臓病や糖尿性網膜症などの危険性が高い、厄介なものです。

 この糖尿病には大きく分けて2種類あり、血糖値を下げるインシュリンを作る事の出来ない1型と、インシュリンが少ない場合やインシュリンが効きづらいために生じる、2型糖尿病があります。
 ちなみに日本人の糖尿病の90%以上は2型糖尿病で、遺伝的要素が大きな原因になっています。
 
 さて、2型糖尿病の人は、食事の時に少量のシナモンを摂るだけでよくなることが、Diabetes Care誌に報告されています。

 この報告を行ったのは、メリーランド州のBeltsville Human Nutrition Research CenterのRichard A. Anderson博士らで、糖尿病の人が少量のシナモンを摂ると、血糖値、コレステロール値が減少したというものです。

 研究では、60名の2型糖尿病の患者さんに1日1gのシナモンを40日間摂ってもらい、その効果を調べました。
 なお、コントロールとして、小麦粉を摂った群と比較しましたが、臭いでシナモンとわかるといけないので、カプセルに封入したものを使ったということです。

 その結果、対照の小麦粉を取った群ではなんら変化は見られなかったのに対し、シナモンを摂ったグループでは血糖値が低下し、脂肪やコレステロール値も約30%下がったそうです
 この研究者は、シナモンにはインシュリンの活性を高める物質が含まれており、そのため血液中のグルコース量が低下したのではないかと述べています。


 以前にも、シナモンを与えると、肥満細胞がインシュリンに対して感受性となる事が報告されており、また動物を用いた実験でもグルコースの消費量が20倍に高まる事がわかっていましたが、これが実際に人でも有効であった訳です

 シナモンは好き嫌いがありますが、2型糖尿病の人は試してみる価値がありそうです。