イワシなどの青魚を食べると、恐怖感が和らぐ

イワシなどの青魚を食べると、恐怖感が和らぐ>


 イワシやサバなどの青魚に多く含まれる「オメガ3系脂肪酸」の割合が多い食事を取ると、恐怖や苦痛を伴う記憶を緩和させることがわかった、というニュースです。

これは、国立精神・神経医療研究センターの関口正幸室長らの研究チームが、京都市内で開かれた脳神経分野の合同学会で発表したものです。

 研究では、オメガ3系脂肪酸(DHAドコサヘキサエン酸やαリノレン酸などの不飽和脂肪酸)と、植物油に多いオメガ6系(リノール酸など)の含有割合を様々に変えた餌を用いてマウスを飼育しました。
そして、怖がって動けなくなる程度の電気ショックを与え、次に再び動きだすまでの時間を比較しました。

その結果、オメガ3系と6系の割合を1対7〜8にした餌を与えたネズミ(32匹)では、動き出すまでに平均80秒かかることが分かりました。
それに対し、この割合を1対1にしたネズミ(32匹)では平均42秒に縮まっていたそうです。
この結果から、「魚をたくさん食べて3系の割合を増やすことで、不安障害の発症を抑えられるかもしれない」と結論しています。


今回調べられたオメガ3系及び6系の脂肪酸はいずれも必須脂肪酸ですが、最近の食事の欧米化により、日常生活での3系の摂取量は6系に比べて減ってきています。
従って、3系脂肪酸の摂取量を意識的に増やすことにより、不安障害などの発症予防に役立つ可能性が考えられます。 今回の実験はマウスを対象とした実験ですが、試してみる価値は十分にありそうですね。