赤ちゃんは抱っこして歩くと安心する

<赤ちゃんは抱っこして歩くと安心する>


赤ちゃんをあやす時、抱っこして歩き廻ったりしますが、実際そうすることにより赤ちゃんが泣きやんで眠ってくれたりします。

これは単にヒトだけでなく、広く哺乳類に共通した事で、これにより赤ちゃんがリラックスするらしいことが分かりました。
理化学研究所脳科学総合研究センターの黒田研究員らが、ヒトとマウスの実験で明らかにしたもので、米国専門誌カレントバイオロジーに報告されています。

論文タイトル: Infant Calming Responses during Maternal Carrying in Humans and Mice
科学誌名: Current Biology, 18 April 2013
著者: Gianluca Esposito, Kumi O. Kuroda 他


研究では、先ず母親マウスの動作をまねて、子マウスの首をつまんで持ち上げたところ、子マウスは泣き声が減り、心拍数も下がり、リラックスしていることがわかりました。

次にヒトの母子12組の協力を得て、6カ月以内の赤ちゃんを抱いた状態で30秒ごとに、「座る、立って歩く」という動作を母親に繰り返してもらいました。

すると、座る時に比べ、歩く場合では赤ちゃんが泣く時間は10分の1に減ることが分かりました。
また、赤ちゃんの動きも約5分の1になり、心拍数も小さくなったそうです。
即ち、子マウスが母親マウスに首を咥えて運ばれる時と同じように、ヒトの赤ちゃんもリラックスしていると考えられました。

哺乳類の動物が口にくわえて子どもを運ぶ際、子どもは体を丸くして運ばれやすい姿勢をとります。
この時赤ちゃんは、リラックスしておとなしていることにより、親に協力しているという親孝行の現れのようですが、逆に言えば、赤ちゃんをリラックスさせておとなしくさせるには抱いて歩くとよいのではないか、と考えられます。