犬の不安症や神経症が増加中

<犬の不安症や神経症が増加中>


不安症やうつ病などの神経症が人間だけのものではないようです。
この数年、精神疾患にかかる犬が増加傾向にあるそうです。


そこで、生後2カ月でペットショップから買われてきたオスの柴犬のお話を。

この子犬は、飼い主宅に迎えられて数カ月がたったころから、自分のしっぽを追うようになりました。
最初は遊んでいるような様子でしたが、次第にほえ声も加わったそうです。
さらにはしっぽを追って激しく回り始め、ついにしっぽをかじって傷つけるように…。
そして、東京大学附属動物医療センターに連れてこられた時には、しっぽが半分にまでかじられていました。

獣医師は、抗うつ薬の一種「アナフラニールクロミプラミン塩酸塩錠)」を処方。
さらに、犬とのかかわり方や、ケージの置き場所を変えるなどして落ち着いた環境を作ってあげるよう指導したそうです。
すると、初診から2カ月後には、しっぽを追う行動はほとんど見られなくなりました。


この子犬の病名は「常同障害」で、人間でいう強迫性障害の一種でした
常同症は、退屈、ストレス、不安、環境の変化、などの精神的な原因で発生するとされています。
また、軽微な皮膚刺激の掻痒感が発症のきっかけとなる場合もあります。
治療は、なるべくかまってあげたり、注意を他へそらすことが主で、状況によっては今回のような抗不安薬を使用する場合もあるようです。

このような精神疾患を抱えてやってくる犬の数が、ここ数年で確実に増えているのだそうです。
犬は人間よりも鬱病にかかりやすい可能性があり、人間よりもセンシティブと言えそうです。
お宅のワンちゃんにも、気を使ってあげてください。