がんに関する最新の話題:1)生存率の高い国は? 2)胃がんの再発

<がんに関する最新の話題:
 1)生存率の高い国は? 2)胃がんの再発予測可能!>


がんに関する話題を2つ。

1)がん患者の生存率が最も高い国は米国、低い国はアルジェリア
これはロンドン大学衛生熱帯医学大学院のMichel Coleman教授らが、英国医学誌ランセット・オンコロジー(2009, Sep. 17 Issue)に報告したものです。

研究では、31か国で1990年から94年の間に、初期の乳がん前立腺がん、結腸・直腸がんと診断された190万人の生存率を調べています。

これによると、乳がん前立腺がんの5年後の生存率が最も高かったのは米国、これにカナダ、オーストリアが続いています。

また、結腸・直腸がん患者の生存率トップは、女性ではフランス、男性では日本でした。また、2位は男女とも米国だったそうです。
なお、米国内でがん患者の生存率が最も低い州はニューヨークとなっています。
以上の3項目での生存率最下位は、アルジェリアとされています。


2) 胃がんの再発の7割が予測可能
胃がんの手術後の再発を7割の確率で予測できるシステムを、国立がんセンター研究所の佐々木博己室長らが開発したというニュースです。

国内には推定10万人の胃がん患者さんがいらっしゃいますが、転移したがんが術後に見つかる再発率は全体の3〜4割です。
胃がん摘出前に、顕微鏡で転移の有無を調べるのですが、小さいがん細胞は見つけにくく、数年後に再発することが多いことが知られています。

そこで佐々木室長らは、腹膜細胞内の胃がんに特徴的なRNAに結合する物質を研究し、開発に成功したというものです。

これを使いて、進行した胃がん患者191人を手術後に調べた結果、顕微鏡でがん細胞が見つかった患者34人全員に加え、顕微鏡では見つからなかった36人で、陽性反応が出たそうです。
これら計70人のうち4年目までに再発したのは52人、再発患者は全体で75人で、7割を予想できたことになります。

この技術を利用し、胃がん手術と腹膜の抗がん剤治療を併用すれば、再発は減らせることが期待できます。
そして、このような技術が更に開発されれば、がん死亡率は更に減らす事が可能となります。

更なる研究が期待されます。


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