女性の手は、バイ菌で一杯!
<女性の手は、バイ菌で一杯!>
見えない細菌やウイルスが、我々の身の回りに一杯います。
そこで今回は、女性の手の平には、男性のよりも多くの細菌が住んでいると言う話題です。
また、今まで考えられていた以上に多くの細菌がいることもわかりました。
但し、これらの細菌は悪いものばかりでないようで、必ずしも不潔であると言うことではないのだそうです。
これは、コロラド大学ホーダー校のNoah Fierer博士が、米国科学アカデミー誌に発表したものです(2008, November Issue)。
それによりますと、最近の遺伝子配列決定技術を駆使して調べたところ、手の平には150種以上の異なる細菌が住んでいました。 また、その種類は人によっても大きく異なるということです。
研究では、102名の手の平について、そこにいるバクテリアを調べました。
すると、4,700種以上の異なるバクテリアが同定され、そのうちわずか5種類しか、全ての参加者に共通して見られなかったそうです。
また右手と左手でも、共通に存在しているバクテリアは、わずか17%しかいなかったということです。
そして、女性の手のひらには、男性よりも50%以上の種類のバクテリアが存在することも明らかになりました。
Fierer博士によると、女性の手により多くの細菌が存在する理由としては、男性の手のほうがより酸性なためバクテリアが生育しにくい環境であること、汗、油脂、ホルモン分泌などの男女差、また肌に潤いを与える化粧品の使用などが関係しているのではないかということです。
またこの研究で、手洗いを行ってもバクテリアの種類にはほとんど影響しないこともわかりました。
また、ある種のバクテリアは手洗いにより減少しますが、逆に増加するものもいるということです。
ただし、抗菌石鹸で手を洗うことは、細菌感染のリスクを減少するのに有効で、特に危険な細菌には有用であると強調されています。
さらに、手のひらにいるバクテリアは、上腕や肘にいるバクテリアよりも3-4倍多く、また口の中や下部消化器よりも多い事も明らかになりました。
このような手の平に住んでいるバクテリアは、皮膚の健康維持に重要な役割を持っているそうです。
実際、病気の原因となるバクテリアは小数で、ほとんどの細菌は疾病を予防するのに有用な細菌であると結論されています。
勿論健康を害する細菌はやっつけたいですが、以上のように人間にとって必要な細菌さんも一杯いるようです。
現在のところ、バクテリアが皮膚の健康にどのように影響しているか、またどのようなバクテリアが有用なのかはよくわかってはいませんので、細菌が人の健康にどのような貢献をしているかを調べることが重要です。
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