国際結婚:妊娠後に問題が発生?

<国際結婚:妊娠後に問題が発生?>


 最近、我が国でも国際結婚が盛んになってきました。
 町を歩いていると、よくその様なカップルを見かけます。

 ところで、カップルの一方がアジア人、もう片方が白人のケースでは、妊娠糖尿病の発症リスクと帝王切開による分娩リスクが高くなることがわかりました。

 これは、米国スタンフォード大医学部および付属Lucile Packardルシール・パッカード小児病院の研究で明らかになったもので、米国産科婦人科学会誌「American Journal of Obstetrics & Gynecology」〔2008, October issue〕
に掲載されたものです。

 研究では、同病院において、2000-2005年に分娩した白人5,575例、アジア人3,226例、アジア系-白人868例の各カップルのデータを分析しました。

 その結果、妊娠糖尿病の発症率は、男女とも白人カップルでは1.6%と最も低く、男女ともアジア人カップルでは5.7%と最も高かいことがわかりました。
 また、アジア人と白人のカップルでの妊娠糖尿病発症率も、4%程度と高くなっていました。

 今までの研究でも、アジア人は遺伝的に糖尿病発症リスクが高いことは報告されていましたが、今回の研究で、妊娠糖尿病リスクはパートナーが男女いずれを問わず、アジア系であればそのリスクが高いことが明らかになった訳です。

 帝王切開率に関しては、父親はアジア人、母親は白人のカップルにおいて23%と最も低く、逆に父親は白人、母親がアジア人のカップルの場合には33%と最も高くなっていました。
 このような異なる人種のカップル間でみられる帝王切開率の差の理由については、骨盤サイズの違いが関係しているようで、アジア人女性の骨盤サイズは白人女性のより小さいことが関係しているとされています。


 さて、国際結婚は言葉の問題に限らず、このような肉体的な問題も発生しそうですが、今後は益々異なる人種間での婚姻が増えますので、発生しうる問題点を明らかにしてその対策を作ることが必要と思われます。


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