変形性膝関節症:靴底に切れ目を入れるだけで予防可能

<変形性膝関節症:靴底に切れ目を入れるだけで予防可能>

 変形性関節症は、高齢化社会の到来によりその数が増加しています。
 多くのお年寄りの方がつえをついて歩き難そうにしていたり、痛みにじっと我慢している様子を見ていると、何とかしてよい方法がないものかと考えさせられますね。

 そのように思っていたところ、運動靴の靴底に切り込みを入れるだけで、変形性膝関節症の発症や増悪を予防できるというニュースがありましたので、お知らせします。

 これは、米シカゴのラッシュ医学校のNajia Shakoor氏らが、米国リウマチ学会(ACR, October, 2008)で報告したものです。

 研究では、変形性膝関節症患者30人を対象に(対象者は男性10人、女性20人、平均年齢は60±10歳。)、歩行テストを実施して、靴の違いによる膝関節にあたえる力について調べました。
 そして、平底の運動靴を履いた状態と、同じ靴に切り込みを入れて履いた状態で、日常の速度で歩行してもらい、同時にカメラやセンサーを用いて、膝に与える力などを計測して靴の影響を比較しました。

 その結果、切り込みが入った靴では、通常の靴に比べて歩行時の最大内転モーメントが4%減少することが分かりました。 
 この結果から、膝関節の負荷低減には、平底でかつ切れ込みが入ったような柔軟な靴が有効で、今後この成果を基に、変形性膝関節症などの患者さんに適した靴の開発が可能とされています。


 最近シルバー向けの商品が色々と開発されていますが、近いうちに、靴底に切れ目が入っており、無理な力がかからないようにした靴がお目見えしそうです。


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

今日の話題は如何でしたか?

・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info/」をご覧下さい。

メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページより登録なさってください。

・また、情報交換の場として、「http://d.hatena.ne.jp/Drhase/」のコメントコーナーもご覧下さい。