豆腐や納豆などの大豆製品は、精子数を減少。

<豆腐や納豆などの大豆製品は、精子数を減少>


 豆腐、納豆、どちらも大好物です。
 ほぼ毎日のように食べています。

 ところが、このような大豆食品を普通に食べているだけで精子の数が半減する、というショッキングな報告がありました。

 この報告に対しては反論もあり、今後更に詳しい研究が必要ですが、とても気になるものでしたのでお知らせします。

 これはハーバード大学健康学部のJorge Chavarro博士が、人類学誌のjournal Human Reproduction(2008, August issue)誌に報告したものです。

 研究では、不妊治療に訪れた99名の男性の食事内容と精液について調べました。

 そして、これらの男性について大豆を食べる量に応じて4群に分けたところ、最も多く大豆を食べている群では、精子の量が低下していることがわかったそうです。

 正常な精子の濃度は1mlあたり8000万〜1億2000万個ですが、大豆製品を2日に1回食べる習慣のある男性では、その数が4100万個も少なかったそうです。

 今までの研究でも、イソフラボンが、ヒト女性ホルモンであるエストロゲンと同様の作用を有することがわかっています。

 Chavarro博士によると、大豆製品に含まれるイソフラボンが、精子の形成過程に影響を与えるのではないかと述べています。
 特に、肥満気味で体内に脂肪分の多い男性では、エストロゲンの影響を受けやすいということです。

 一方、この説に反論を唱える学者も多く、ある英国の専門家は、「大豆食を多く食べるアジア地域の男性は、特に不妊などの問題が発生していない」と強く反論しています。

 また、動物実験で大豆成分を大量に与えると妊娠率が低下したという報告がありますが、人間ではそのような影響はみられなかったとする幾つかの研究例も知られています。

 さらに、多くのアジア地区で大豆製品が食べられているにも拘わらず、精子の数は今回の調査した男性よりも多いことがわかっています。

 シェフイールド大学男性病学のAllan Pacey博士によりますと、「大豆が精子の産生に悪影響と与えることは事実かも知れないが、他の生活習慣などの環境因子の影響が更に大きいのではないか」ということです。

 大豆製品はヘルシーフードの代表ですので、この問題については更に慎重に研究を行っていただきたいと願っています。


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